飛騨高山の年末年始の過ごし方

数年に一度の寒波の到来とともに、
2020年、大晦日となりました。

いろいろな想いが交差するこの年の最後の日、
皆さまはどのようにお過ごしでしょうか。

早いもので私達が<すみや青花>を開業して約6か月が経ちました。


お宿の運営をするなかで、SNSやブログ、そしてコンシェルジュサービスを通してお客さまにきちんとした情報をお伝えしたいと、改めて飛騨高山という町について調べることが増えました。

生まれ育ったこの町の事、
知っているつもりで、知らないことも多くありましたが、
その中で最も驚いたのが<お正月飾り>でした。

一般的に<松飾り>と検索すると、
門松や、松に水引をあしらい玄関に飾る画像が出てきますが、
飛騨高山でいう<松飾り>は違います。


天井から松を吊るし、そこに金銀の珠や、
鯛、宝袋、大判小判というような紙製の飾りを下げるのです。
まるで、和風のクリスマスツリー、とどなたかが仰っていましたが
まさにそのような感じでしょうか。



この松飾り用の松は、
スーパーでも売られていますが、陣屋前朝市で開かれる
<年の瀬市>でも買うことが出来ます。
ここには、近隣の農家の方々が作ったしめ縄、花餅が集まり、
いつもの朝市と違ってまた楽しいのです。

今年は、この<松>を買うのに出遅れてしまい、
なかなか良い枝ぶりのものに出会えませんでした。

そこで、一番大きな松の一部を切っていただき、
なんとか青花の玄関<朱の間>に飾ることができました。

この松飾り、数人の高山市民に聞いてみましたが、
全国どこでも行っているものと思っている様子でした。
もちろん、私もそう思っていましたが飛騨地方と兵庫県の一部にしかこの風習は無いようです。  かなりびっくりです。(笑)


そして、もうひとつ。
飛騨高山の年末の過ごし方で驚かれるのが、
大晦日におせち料理をいただくこと。


諸説ありますが、もともとおせち料理は大晦日に食べられていたそうで、
その風習が北海道、東北の一部、そして飛騨高山には残っているようです。


私も午後から、
おせち料理をお重に詰めて、年取りの準備をいたします。
飛騨のおせち料理のご馳走、<ブリ>も焼かなくてはなりません。

2020年、 すみや青花を開業し、たくさんのお客さまにお越しいただきました。 旅のあり方を考えさせられた一年ではございましたが、 こうして新しい年を迎えることができるのも、お越しいただくお客さまと、いつも支えてくださる高山の町の皆さまのおかげでございます。 皆さま、本当にありがとうございました。 本日はどうぞごゆっくりとおやすみいただき、 良いお年をお迎えくださいませ。

すみや 青花